事業再生というと難しくきこえますが、実は単純です。資金繰りが厳しい、倒産するかもしれない会社というのは普通の会社がやらなければいけないことをやらなかったために、現在の状況になってしまった会社です。
情報化社会の現代で、経営者の目を引きつけるような過激な情報もあふれていますが、税務・会計になると複雑怪奇な相手であり、また年々法改正が行われます。何も考えずこれらの情報を鵜呑みにした場合、金ばかりがかかり状況がむしろ悪化してしまったというケースも少なくありません。
事業再生は税務・会計はもちろんですが金融と経営の知識が必須となりますが、最後はとにかく経験がものをいう世界です。少しでも節約したい会社様もあるかと思いますが、まずは経験豊富な専門家に相談することをおすすめします。
事業再生は以下の流れで行います。
まず、会社の資金繰りの状況確認を行います。次のような選択肢を検討します。
(1)当面の資金繰りが確保されている場合
事業・財務分析を行い、経営改善計画の策定を行います。
(2)当面の資金繰りが確保されてなく、現状では当面融資も望めず至急金融機関に対する返済をストップしなければ、資金ショートしてしまう場合
社長と一緒にメインバンクへ出向き、当面の資金繰りを説明してリスケの合意を得た後、他行についても同様にリスケのお願いをして資金ショートをいったん回避。その後、メインバンクの意向にもよりますが事業・財務分析、経営改善計画の策定を同様に行います。
リスケ(リスケジュール)とは、金融機関に一定期間の約定返済を減額をしてもらう条件変更のことです。仕入代金や給料、税金等の支払いは継続できるため事業への悪影響を避けることができます。
しかし、リスケは非常にリスクの高い行為であり周到な準備が必要となります。対応を間違えるとたちまち会社存続の危機となるため、会社単独では行わず、経験豊富な専門家に依頼することが無難です。
過去数期間の決算書・管理資料、業界に関する資料を分析し、またマネジメント層等にヒアリングすることにより、会社の事業・財務そして管理体制を把握するとともに、計画策定に影響を及ぼす事項を抽出します。
基本的な部分は、一般的な事業計画策定の場合と同様ですが、事業再生の場合は特に下記の点が重要です。
現状確認の結果をふまえ、アクションプランに落とし込み、より実現可能性の高い事業計画の策定支援を行い、会社の役員メンバーに対して計画を発表し、周知徹底を図ります。
こちらについても基本的な部分は、一般的な事業計画策定の場合と同様ですが、事業再生の場合は特に下記の点が重要です。
最終的な計画は報告書に取りまとめ、社長とともに金融機関に出向き説明を行います。交渉を効果的に行うためには金融検査マニュアル等様々なルールを熟知していることはもちろん、融資を行いやすくする理由づけが必要になりますが、当事務所が同行することによって交渉をより公平にすすめることができます。
事業計画は最初にメインバンクで説明し、了承を得られた後に他行に説明に行きます。
ここで予定した通りの資金調達ができた場合は問題ありませんが、予定通りできなかった場合再度、今後の資金繰りを検討します。計画が予定通り進捗している場合はメインバンクやその他から融資を受けやすくなりますが、計画が予定通りではなく、また借入金の約定弁済がすすみ資金が厳しくなる状況が想定される場合はリスケを選択肢に入れて検討を行います。